-ium

1. ラテン語からの借入語(名詞)に見られる接尾辞。 (例: premium プレミアム, 賞)
2. (化学)元素名を造る。...イウム。 (例: titanium チタン)
3. (特に植物学用語で)小型..., ...塊 の意の植物名や器官・組織名を造る。(例: nasturtium キンレンカ)

(語源) 近代ラテン語 '-ium' (中性名詞語尾) ← ギリシャ語 '-ion'(指小接尾辞)に由来する。



この接尾辞を持つ語
Elysium
[名詞]1 《ギリシャ神話》エリュシオン(Elysian Fields):祝福された人々が死後に住む楽土
2 理想郷;至上の幸福
ラテン語←ギリシャ語Ēlusionから
actinium
[名詞][U]《化学》アクチニウム(記号:Ac)
aecium
[名詞]
〔菌類〕サビ胞子器《サビ菌類の子実体;サビ胞子を生じる球状またはカップ状の器官》.

新ラテン語←「(場に)ふさわしくない、不体裁な, 有害な」という意味のギリシャ語aikēsに由来する
alluvium
[名詞] 《地質学》(流水による砂礫されき・泥土などの)堆積, 沖積層 (土) 参照alluvion
aluminium
[名詞][形容詞]((主に英))
=aluminum
印欧語根等はaluminum参照
aluminum
[名詞]
[U]《化学》アルミニウム(記号:Al)
[形容詞]
アルミニウムの;アルミニウム製の[を含む]
=aluminium((主に英))
amphithecium
[名詞]
〔植〕アンフィテシウム《コケ植物の若い胞子体の外層で, 成長すると胞子嚢(のう)の外壁になる》
antependium
[名詞]
(教会の)祭壇の前飾り[覆い], 正面掛け布
apothecium
[名詞]
〔菌類〕子嚢盤, 裸子器
「倉庫」が原義。
「容器」の意味のギリシャ語に由来. 印欧語根はapothecary参照
bacterium
バクテリウム属, 細菌, バクテリア
barium
[名詞]
〔化学〕バリウム(【記号】 Ba)《原子番号56, 原子量137.34;銀白色のアルカリ土類金属元素;合金の材料;化合物は顔料になる》;(X線造影用の)硫酸バリウム
biennium
[名詞]
2年間の期間 ラテン語
brachium
[名詞]
1〔解剖〕腕, 上腕
2(鳥の翼などの)腕に相当する部分
3〔生物〕枝・腕状部分

「より短い→上腕」の意味のギリシャ語から
calcium
[名詞][U]《化学》カルシウム(記号:Ca)
cambium
[名詞]
〔植〕形成層
chromium
クロム
cilium
[名詞]
cilia の単数形
cleistothecium
[名詞]
〔植〕閉子嚢殻(のうかく)《閉じて丸くなった小嚢果》
clinandrium
[名詞]
〔植〕葯床(やくしょう), 葯鞘(やくしょう)《ランの花の蘂柱(ずいちゆう)の上部で葯を含んでいるくぼみ》

(語源) ギリシャ語 'klīnē' (寝椅子) + 近代ラテン語 '-andrium'(雄ずい)
collegium
[形容詞]
1 (学校・病院などに勤務する)聖職者たちの一団;相互信頼と相互尊敬の中で共通の目標を追求する集団
2 (旧ソ連で)同等役職者の集まり

印欧語根等は参照印欧語根等はcolleague参照
colloquium
学会, 学究的セミナー
colluvium
[名詞]
〔地質〕崩(ほう)積土《地すべりや崩壊によって形成された付均質な堆積物で斜面の末端付近によく見られる》
compendium
概要, 概論, 大要, 要約
corium
[名詞]
1〔解剖・動〕真皮
2〔昆虫〕(半翅(はんし)目の)革質部
corynebacterium
[名詞]
〔細菌〕コリネバクテリウム《放線菌コリネバクテリア属の桿状(かんじょう)の細菌の総称;ジフテリア菌など》
cranium
頭蓋
cymatium
[名詞]
1上部繰形, キュマチウム《蛇腹上部装飾で正シーマの形をしているもの》 2=→cyma
cypripedium
[名詞]
〔植〕シプリペジウム《1ラン科クマガイソウ属の多年草の総称 2トキワラン属の園芸用ラン;多数の品種がある》
deuterium
ジュウテリウム, 重水素(【記号】 D)
dichasium
岐散花序 《花軸の先端に花がつき、その下から対生する枝が出て、それぞれの先端に花をつけることを繰り返すもの。集散花序 cyme の一つ》

(語源) ギリシャ語 'dikhasis' (分割) に由来する。
encomium
褒め言葉, 賛辞
endothecium
コケ類の未発達の子嚢(しのう)の内層. 「容器」の意味のギリシャ語に由来
epithelium
上皮, 表皮, 皮膜組織
equilibrium
感情の安定, 均衡, 心の平静, 釣り合い, 平衡, 平衡点
exordium
(物事の)初め, (講演・論文などの)導入部, 序論

(語源) ラテン語 'exōrdīrī' (はじめる) = 'ex-' + 'ōrdīrī' (はじめる)+ '-ium' に由来する。
gymnasium
[名詞]
1 体育館, 屋内競技場
2 ギムナジウム:ドイツの大学進学のための古典語教育を主とする中等学校

ギリシャでは裸で身体をきたえたことから「裸の訓練場」が原義
gynoecium
雌蘂(ずい)群《1つの花に存在する雌蘂全体》
hyracotherium
[名詞]ヒラコテリウム. ウマ科の化石獣(別名 Eohippusエオヒップス).印欧語根等はhyrax, treacle参照
iridium
[名詞] 〔化学〕イリジウム。プラチナに似た貴金属元素の一つ。プラチナ合金に使用され,金ペンの先に使われる(【記号】 Ir)《原子番号77;原子量192.22;金属元素》 

(語源) ラテン語 'īrid-' ('īris'(虹)の語幹) + -ium に由来する。 塩酸中で溶解すると虹のように色が変わることから。
mesothelium
【n.】
〔発生〕中皮, 体腔(たいこう)上皮《発生時の中胚葉にある皮膜組織》. meso- + epithelium
milium
【n.】
〔病理〕稗粒腫(ひりゅうしゅ)《皮膚にできる白い小結節;普通皮脂腺がふさがれることによって生じる;whitehead ともいう》.
monosodium
[名詞]ナトリウム
mycelium
【n.】
〔菌類〕菌糸体《菌糸の集まったもの》.
nasturtium
[名詞]
1 〔植物〕キンレンカ(金蓮花)。丸い葉をつけ、金色の花をつける。葉、花、果実、種子は辛みと酸味があって食用になり、サラダや彩りによく利用される。
2 明るいオレンジ色。

(語源) 中期英語 'nasturcium' (クレソンの類) ← ラテン語 'nasturtium' ( 'nāsus'(nose鼻) + 'tortāre'(ねじる, 曲げる)/ 鼻がねじ曲がるくらい刺激的な臭い)に由来する。
odium
憎しみ, 憎悪
opium
アヘン,麻痺させるもの
opprobrium
悪口, 汚名, 恥辱, 非難

「恥ずかしい行為をとがめる」という意味のラテン語に由来する
osmeterium
[名詞]
〔昆虫〕臭角《アゲハチョウの幼虫の前胸部にある二またの突起;刺激を与えると突出し不快なにおいを出す》
osmium
[名詞]
〔化学〕オスミウム(【記号】 Os)《原子番号76;原子量190.2;金属元素》
四酸化物の強烈な臭気からの命名
ostium
[名詞]
〔生物〕1(水が内部に浸入するための海綿などの)小孔 2心門《節足動物などの囲心腔から心臓に血液が流入する入口》
pancratium
【n.】
パンクラティオン《現在のボクシングとレスリングを組み合せたような, 古代ギリシアの格闘技》.
pandemonium
【n.】
1 大混乱(の場所);修羅場(しゅらば), 無法地帯
2 [P〜] 伏魔殿;地獄.

demon参照
pelargonium
[名詞]《植物》テンジクアオイ, (園芸で)ゼラニウム. この植物の蒴(さく)がコウノトリ(黒白鳥)のくちばしに似ていることから、ギリシャ語の「コウノトリ」に由来
perimysium
【n.】
〔解剖〕筋鞘(きんしょう), 筋周膜《筋繊維の主要束を包む繊維結合組織の鞘(さや)》.
perionychium
【n.】
〔解剖〕爪(そう)周囲部, 爪床縁, ペリオニヒウム《爪の周囲を包む皮膚》.
perithecium
【n.】
〔植〕被子器;子嚢(しのう)殻《子嚢が入っているフラスコ型の組織》.「容器」の意味のギリシャ語に由来
podium
【n.】
1 指揮台;演壇;(航空券などの)受付台;表彰台.
2〔建築〕基壇, ポディウム《古代神殿建築が建つ高い土台》;腰壁;(古代円形闘技場と客席を分ける低い)仕切り壁;(その闘技場の客席を支える)土台.
3〔生物〕
a (脊椎動物の)四肢の末端.
b (棘皮(きょくひ)動物の)足.
4 ((米))聖書朗読台, 書見台(lectern).
potassium
[名詞]《化学》カリウム, ポタシウム:銀白色の金属性元素;記号K. 昔はpotash(1)を使って作られたことに由来。
praseodymium
[名詞][U]《化学》プラセオジム:希土類元素(記号:Pr).「ポロネギの緑色」に由来
premium
【n.】
1〔…に対する〕賞金, 賞(品)〔for〕;報奨金, ボーナス;(購買意欲をそそるための)景品, おまけ.
2 割増し金, プレミアム;((米))(貸付金に対して利子以外の)手数料;(株の貸主に借用者が払う)手数料.
3〔保険〕保険料.
4 (昔の徒弟訓練などに対する)謝礼, 月謝, 授業料.
5 過大な評価[関心, 必要(性)].
6 プレミアム《ハイオクのガソリン》.
7〔経済〕打歩(うちぶ)《社債などの額面超過額》.

【adj.】
[限定] 上等な, 上質の;高価な;景品つきの;割増の
proprium
【n.】
((廃))〔論理〕固有性, 属性《種(species)の本質的なものではないが, 共通している特性;現在は property という》.
proscenium
【n.】
1 舞台前部;プロセニアム《舞台と客席とを隔てる部分で, 額縁状のプロセニアムアーチ(〜 arch)とカーテンを含む》.
2(古代ギリシア・ローマの劇場の)舞台, 前舞台.

ラテン語proscēnium←ギリシャ語proskēnion←「前に」pro-+「大道具(舞台の背景となる構造物)」skēnēscene参照
prostomium
【n.】
〔動〕前口葉[節], 頭葉《ミミズやゴカイなど環形動物の頭部》.
psyllium
[名詞]<<植物>>オオバコのこと。種子が蚤のような形をしている。(種子を緩下剤や水溶性繊維として食物添加物に用いる。)
quadrennium
4年間. ラテン語 'quadriennium' に由来する。  'quadri-' + 'annus'(年) + '-ium'
quinquennium
5年間
rhodium
ロジウム(【記号】 Rh)。銀白色の金属。塩の多くがバラ(ローズ)色をしていることから名付けられた
rubidium
[名詞] 〔化学〕ルビジウム。カリウムに似たアルカリ金属の一つ;銀白色の柔らかい;光電池,ルビジウム塩製造に用いる;記号 Rb,原子番号37,原子量85.47,比重1.53(20℃)。

(語源) ラテン語 'rūbid'(赤い) + -ium に由来する。発光スペクトルで赤色の光線を示すことからこの名前が付けられた。
scholium
(古典作品の)注釈, 評釈
sclerotium
《菌類》菌核.《1 菌糸体の塊 2 粘菌類の休眠体となった大形の変形体》
sodium
[名詞][U]《化学》ナトリウム(natrium)(記号:Na)
sympodium
〔植〕(ブドウの木などの)合軸, 仮軸
tedium
飽き飽きすること, 退屈
ラテン語taediumtaedēreから
telium
〔菌類〕冬胞子層[堆(たい)]
tellurium
〔化学〕テルル(【記号】 Te)《原子番号52;原子量127.60;非金属元素》.
titanium
[名詞][U]《化学》チタン(記号:Ti)

[形容詞]チタンの

印欧語根等はTitan参照
uranium
[名詞][U]《化学》ウラン(記号:U)

1781年の天王星(Uranus)発見にちなんでつけられた名。Uranusを参照


【戻る】
【TOP】