-ee(1)

1. ある特定の行為を被る, 行為の恩恵を受ける者、を表す名詞を造る。 (法律用語などで行為者を示す -or, er の対極をなす:employee 雇用者 : employer 雇用主)
2. ある特定の物を所持している者、を表す名詞を造る。(mortgagee  抵当権)
3. ある特定の行為をおこなう者, ある状態におかれている者、を表す名詞を造る。(absentee欠席者)

(語源) 中期英語 '-ee' ← 古期フランス語 '-é', ('-ée'女性形) 過去分詞を表す接尾辞 ← ラテン語 '-ātus'(動詞の過去分詞接辞)

接尾辞 –ee は、ラテン語、フランス語における動詞の過去分詞接尾辞を起源としており、英語の用法においても初期には「受動的に被動作主」を表わすことが基本的機能であった。(例:雇われる人 employee) 他動詞の目的語となる人を示す例が一般的で、特に法律関係の文書(例:trustee(受託者)) や軍・警察の専門用語(例:draftee(召集兵))に多く使われるようになる。
19世紀になり、主としてアメリカ英語で、自動詞の主語を示すような用法に拡大していった。(例:standee(立ち見客)) 今日では、接尾辞 -ee で終わる造語は広く受け入れられており(例:honoree(受賞者)), 思いつきで造られた嘲笑的な意味合いの語も少なくない。(例:firee (解雇された人), roastee(からかいの対象))
また、名詞や形容詞から造られた語もある。(例:patentee(専売特許権所有者), biographee (被伝者/伝記の主題になっている人物))




印欧語根
-to- (-eto-, -oto-も同様。) 形容詞を造る接尾辞。
基礎となる単語の概念が完了したことを示す。例えば語基が動詞であれば、(過去)分詞(finish-ed)、語基が名詞であれば、所持(beard-ed)を示す。さらに最上級接尾辞(-is-to-, -est(1)参照)と序数の接尾辞(e.g. sixth,-th(1)参照)にもみられる。英語の接尾辞ではこれらの他 -ate, -ee(1), -eticに派生した。
この接尾辞を持つ語
absentee
[名詞]
1 不参加者,(特に学校・会社の)欠席者
2 不在者;不在地主
attendee
[名詞]((主に米))出席者, 参列者(=attender)

印欧語根などはattendを参照
committee
委員, 委員会
devotee
熱愛者
employee
[名詞] 従業員, (被)雇用者, 使用人
印欧語根等はemploy参照
licensee
[名詞]認可された人[店]
印欧語根等はlicense参照
referee
[名詞]
1 レフリー, 審判員
2 調停者, 仲裁人, 裁定者;(投稿論文などの)審査員;《法律》判定官
3 身元[人物]保証人

[動詞]
(他)(自)(…の)調停者[仲裁人, 審判員, 審査員]を務める, 仲裁[審判, 審査]をする
refugee
亡命者, 難民
returnee
帰還者, 帰国子女, 帰国者, 長期休暇から戻った人, 復学者
trustee
[名詞]
1 《法律》(他人の財産の)受託者, 被信託人, 保管人
2 (会社・学校・協会などの)役員, 理事, 評議員
3 信託統治地域管理国
第三債務者
=trusty

[動詞]
1 …を受託者の管理に移す
2 〈第三債務者に〉債権差し押さえの通告をする

印欧語根等はtrust参照
warrantee
〔法律〕被保証人.


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