-to-

(-eto-, -oto-も同様。) 形容詞を造る接尾辞。
基礎となる単語の概念が完了したことを示す。例えば語基が動詞であれば、(過去)分詞(finish-ed)、語基が名詞であれば、所持(beard-ed)を示す。さらに最上級接尾辞(-is-to-, -est(1)参照)と序数の接尾辞(e.g. sixth,-th(1)参照)にもみられる。英語の接尾辞ではこれらの他 -ate, -ee(1), -eticに派生した。


この語根 -to- から派生した単語
sixth
[形容詞]1.((通例the ~))第6の, 6番目の 2. 6分(の1)の
[名詞]1.6分の1 2.[U]((通例the ~))第6, 6番目(のもの), (月の)6日 3.((英))=sixth form(第6学年) 4.《音楽》6度音程
[副詞] 6番目に
印欧語根等はsix参照
unfortunately
[副詞]((通例文修飾))不幸[不運]にも, 残念ながら, あいにく
印欧語根等はfortune参照


この語根 -to- から派生した接尾辞
-age
集合, 関係, 地位, 状態, 行為, 結果, 料金, 家, 場所, 割合, 数量 を表す名詞を作る
ラテン語 '-āticum'(形容詞、名詞を造る接尾辞)に由来する
-ata
ラテン語からの借入語で複数形を造る接尾辞。(動物学上の分類名も造る)(例:Vertebrata 脊椎せきつい動物門)

(語源) ラテン語 '-ātus' (= 現代英語の -ate(1))の中性複数形に由来する。 もともと形容詞だったが、近代ラテン語で名詞化した。
-ate
(名詞を造る)
1 位、職、集団を示す名詞を造る (例: senate) 
2 対象となる人・物;行為の結果 (例: precipitate)
3 (化学)「…酸、…酸エステル」

(形容詞を造る)
1 ラテン語系形容詞語尾
2 ... 化した(受身的意味の形容詞をつくる)(例:separate)

(動詞を造る)
1 ...させる, ...する, ...になる  
2 (化学, 医学)...を加える, ...で処理する (例:acierate(<鉄を>鋼化する))

(語源) ラテン語 '-ātus'('-āre'の形の動詞の過去分詞形を造る接尾辞)に由来する
-atile
「...的な, ...性の」などの意味の形容詞を造る。-ate + -ile(1)
-ative
-ate-ive の合成語尾。「…的な」の意味で, 傾向・性質・関係などを表す形容詞を造る。'-ate' で終る語の語幹から形容詞を造る場合が多い。

-ate で終わる語は多く, そのため、-ative で終わる形容詞が量産されたことの影響をうけて、他の語幹に -ative をつけた形もよくみられ、
ラテン語系動詞や -ty で終る名詞の語幹、英語固有の動詞につけて形容詞を造っている場合もある。
-ed
1. 規則動詞の過去形を造る
(語源:中期英語 '-ede' ← 古期英語 '–ede', '-ode', '-ade', '-de'に由来する。)
2. 規則動詞の過去分詞形を造る
(語源:中期英語 '-ed' ← 古期英語 '–ed', '-od','-ad' ← ゲルマン語 '*-da-'に由来する。印欧語根 '-to-'に遡ると考えられる。)
3. 名詞または<形容詞+名詞>に付いて「…をもった、…を付けた、…を備えた、…の特性のある、…にかかわっている …に似ている」などの意味を表す形容詞を造る。
(語源:中期英語 '-ede','-de' ← 古期英語 '–ed', '-od' ← ゲルマン語 '*-da-'に由来する。印欧語根 '-to-'に遡ると考えられる。)
-ee(1)
1. ある特定の行為を被る, 行為の恩恵を受ける者、を表す名詞を造る。 (法律用語などで行為者を示す -or, er の対極をなす:employee 雇用者 : employer 雇用主)
2. ある特定の物を所持している者、を表す名詞を造る。(mortgagee  抵当権)
3. ある特定の行為をおこなう者, ある状態におかれている者、を表す名詞を造る。(absentee欠席者)

(語源) 中期英語 '-ee' ← 古期フランス語 '-é', ('-ée'女性形) 過去分詞を表す接尾辞 ← ラテン語 '-ātus'(動詞の過去分詞接辞)

接尾辞 –ee は、ラテン語、フランス語における動詞の過去分詞接尾辞を起源としており、英語の用法においても初期には「受動的に被動作主」を表わすことが基本的機能であった。(例:雇われる人 employee) 他動詞の目的語となる人を示す例が一般的で、特に法律関係の文書(例:trustee(受託者)) や軍・警察の専門用語(例:draftee(召集兵))に多く使われるようになる。
19世紀になり、主としてアメリカ英語で、自動詞の主語を示すような用法に拡大していった。(例:standee(立ち見客)) 今日では、接尾辞 -ee で終わる造語は広く受け入れられており(例:honoree(受賞者)), 思いつきで造られた嘲笑的な意味合いの語も少なくない。(例:firee (解雇された人), roastee(からかいの対象))
また、名詞や形容詞から造られた語もある。(例:patentee(専売特許権所有者), biographee (被伝者/伝記の主題になっている人物))
-ee(3)
-ese を複数語尾と誤解したために生じた単数形。 (例: Chinee ← Chinese を複数形と誤解して生じた俗語/侮辱的)
-etic
-esis で終る名詞の形容詞を造る。

(語源) ラテン語 '-eticus', ギリシャ語 '-etikos' からの借入語 ← '-ēt-'(名詞語幹形成要素)+'-ikos'(現代英語の-ic)
-th(1)
1,2,3を除く序数語尾 (異形 -eth(2) )


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