-(i)ko-

形容詞を形成する第二の接尾辞。英語の接尾辞としては -ac, -y(4), -ic(1), -ics, -age, -ing(3), -ish(1), -esque. またロシア語の接尾辞-skyにも派生した。(例Russky, Dostoyevsky)

この語根 -(i)ko- から派生した単語
Dostoyevsky
ドストエフスキー《Fyodor Mikhaylovich 〜 1821-81;ロシアの小説家;Crime and Punishment 《罪と罰》(1866), The Idiot 《白痴》(1868-69)》
Russky
[名詞]((俗・軽蔑))ロシア人. またはRusski 

(語源) ロシア語 'russkiĭ' (ロシア人) に由来する。
Tchaikovsky
【名】チャイコフスキー《Pyotr Ilyich 〜 1840-93;ロシアの作曲家;バレエ曲 Swan Lake 《白鳥の湖》(1876-77), Sleeping Beauty 《眠れる森の美女》(1890)》.
Trotsky
トロツキー《Lev 〜 1879-1940;ロシアの革命家・著述家;ロシア革命の中心人物だったが Lenin の死の数年後, 国外追放されメキシコに亡命, 暗殺された;本名 Lev Davidovich Bronstejn》.
acrylic
[名詞]アクリル(樹脂, 繊維)

[形容詞]《化学》アクリル酸の;アクリル系[性]の

印欧語根等はacrid参照
athletics
[名詞]
[U]1.((通例複数扱い))((米))(各種の)運動競技;((通例単数扱い))((英))陸上競技
2.((通例単数扱い))体育(実技, 理論)
athletic参照
brewsky
[名詞](俗)ビール
coinage
[名詞]
1(集合的に)貨幣 2 貨幣鋳造(法, 権);貨幣制度  3 (貨幣などの)鋳造物 4 (新語を)造り出すこと, 造語 5 [C]発案されたもの, 発明品 : coin + -age
dynamics
[名詞]
1 ((複数扱い))(一般に)力学(的原理);(肉体的・精神的)原動力;(経済の)動学
2 ((単数扱い))《物理学》力学, 動力学
3 ((複数扱い))《音楽》強弱法, 音力法
4 成長[変化, 発達]の型[歴史]

印欧語根等はdynamic参照
electronics
[名詞]
1 ((単数扱い))電子工学;電子技術
2 ((複数扱い))電子機器

印欧語根等はelectron,electonic参照
genetics
[名詞]
1 ((単数扱い))遺伝学
2 ((複数扱い))(生物体の)遺伝的特徴[現象]

印欧語根等はgenetic参照
graphics
[名詞]
1 ((単数扱い))製図法[学]
2 ((単数扱い))グラフ算法
3 ((複数扱い))各種の印刷美術 =graphic arts 1
4 《コンピュータ》グラフィックス, 画像

印欧語根等はgraphic参照
hepatic
[adj.]

肝臓の[に効く, 色の], 苔(たい)類の

[n.]
肝臓薬, コケ類

usage
用法, 使用(法), 慣用法


この語根 -(i)ko- から派生した接尾辞
-ac
1 [形容詞語尾] ....性の、 ....的な  2 [名詞語尾]...に冒された人

(語源) 近代ラテン語 '-acus'に由来する ← ギリシャ語 '-akós'から借入。
-acal
-ac で終る名詞[形容詞]に対応する形容詞語尾 (-ac + -al(1))
-age
集合, 関係, 地位, 状態, 行為, 結果, 料金, 家, 場所, 割合, 数量 を表す名詞を作る
ラテン語 '-āticum'(形容詞、名詞を造る接尾辞)に由来する
-atic
「…の、…的な、…性の」の意味の形容詞を造る。本来は動詞に付くが、後には名詞からの派生にも用いられた。 
-esque
「…の様式(の)、…風(の)、…に似た」の意味の形容詞・名詞を造る。

(語源) フランス語からの借入語。イタリア語'-esco' ← 俗ラテン語 '-iscus' ← ゲルマン語 '-iska' から派生した。
-ic(1)
1. 「…の, …に関する, …の性質の」, 「…から成る, …を含む」, 「…を生じる, …を起こす, …によって生じる」, 「…部族[語族]の(人, もの)」, 「 …を支持[に執着]する(人,もの)」などの意味の形容詞語尾
2. 〔化学〕 …から抽出された(もの), 高原子価を持つほうの(ousを持つ場合より原始価が高い)
3. ギリシャ語, ラテン語ですでに名詞的に用いられている語, 形容詞の名詞的用法 (例: critic 批評家 )

(語源) 中期英語 '-ik' ← (古期)フランス語 -iqueからの借入 (また、ラテン語 '-icus' ← ギリシャ語 '-ikos'(形容詞男性単数)からの借入。)
-ic(2)
主に芸術・学術の分野の名称を表す。(語源) 中期英語 '-ik(e)' ← (古期)フランス語 '-ica' からの借入 ← ギリシャ語 '-iké'(形容詞女性単数)からの借入← ギリシャ語 '-ikos'(形容詞男性単数)に由来する。 cf. -ic(1)
-ical
1「…の、…に関する、…のような」などの意を表す形容詞語尾。 -ic(1) , -ic(2) で終る名詞から形容詞を造る。
2 -ic(1) で終る形容詞から第二の形容詞を造る。  -ic(1) (-ic(2)) + -al(1)
-ically
-ic(1),-icalに終る形容詞の副詞を造る
-ician
「…に関係ある人、…に巧みな人、…の専門家」の意で -ic, -ics で終る名詞・形容詞の語幹に付いて名詞を造る。-ic(1)(また-ic(2)) + -ian
-ics
1 「…科学(science)、…術(art)、…学(study)」の意の名詞を造る。
2 「…の行動、…の活動、…の実践」の意の名詞を造る。
3 …の質, 資質, …の作用。

学術名などを表す -ics で終わる名詞は,通例,無冠詞で単数扱い。 ただし theや代名詞の所有格などの限定詞がつく場合には, 複数扱いとなることが多い。

-ic(1), -ic(2) + -s(1)
-ing(3)
名詞・形容詞に付いて名詞を造る。
1 「…に関係あるもの、…に属するもの、…に似たもの、…から成るもの」という意味の名詞。
2 父(祖)の名を取った名前を造る。
古期英語では次の意味の名詞を造るのに付された。(1)...な人 (king) (2)父祖から出た名前 (Wonred の息子= Wonreding) (3)民族名 Centingas (ケントの部族) (4)貨幣の名前 'scilling' (シリング) (5)部分を表す 'fēorthung' (farthing 1/4ペニー)
-ish(1)
形容詞を造る。
1. (名詞につけて)「…の」「…に属する」(主に国名・地域名につける) 例:Swedish (スウェーデンの)。
2. (名詞につけて) 「…の性質をもつ」 例: boyish (少年らしい), 「…の傾向のある」 「…じみた」(主に好ましくない性質・傾向を表す) 例:childish, 「…に夢中になって, 気をとられている」 selfish
3. (色彩などを表す形容詞につけて)「やや…の、幾分…な」, 「…っぽい,…がかった」 例: greenish
4. (俗) (時刻・年齢などにつけて)「およそ…、…ごろ」 "fortyish" (40歳くらいの) 
-ish(2)
語幹が 'i-' で終わるフランス語系の動詞語尾。

(語源) 中期英語 '-ische(n)'(口蓋化) ← -isse(n) ← (古期)フランス語 -iss-(原形に'-ir' の語尾を持つ動詞の現在分詞/現在複数語幹) ← ラテン語 '-isc='
-ling(1)
1. 名詞に付ける指小辞 (主に名詞や形容詞につき、感情的に「小さい」「少し」といった意味を表す接辞)「子...」, 「小...」  'duckling' (アヒルの子)
2. 名詞・形容詞・副詞などに付いて「…に属する[関係のある]人[物]」の意を表す名詞を造る。(しばしば軽蔑的に)
-y(4)
次の意を表す形容詞語尾
1 名詞に付いて a 「…の、…の特徴をもった」 例: "icy" (氷のような, 冷淡な)
b 「…の多い、…が一杯な」 例: hairy (毛むくじゃらの)
c 『口語』「…みたいな、…じみた」
2 色彩などを表す主に単音節の形容詞に付いて「やや…の、…っぽい」 例: chilly (肌寒い), yellowy (黄色がかった)
3 動詞に付いて「…しやすい、…しがちの」 例:chatty (雑談好きの)
 異形 -ey


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