-ine(1)

名詞について 「…に似た、…に関する、…性[質]の」の意の形容詞を造る
近代では固有名詞に付いたり、動植物の属名について科学用語としても広く用いられる。




印欧語根
-no- (-eno-,-ono-と同じ)形容詞を造る接尾辞。語基が動詞の場合は過去分詞を、名詞の場合は形容詞を造る。(-en(2), -en(3), -an(1), -ana, -ian, -iana, -ine(1), -ine(2)に派生)
この接尾辞を持つ語
Caroline
[名詞]キャロライン。女の名
Philippines
[名詞](複)((単数扱い)) フィリピン共和国, 国名はスペイン王Philip2世にちなむ。
印欧語根等はPhilip参照
Philistine
【n.】
1〔聖書〕ペリシテ人《古代パレスチナの住人;イスラエル人の敵》.
2[時に p〜] 凡俗な人, 俗物;(芸術などに無関心な)教養のない人.

【adj.】
ペリシテ人の;[時に p〜] 俗物の;高尚な趣味のない.

中英語←後期ラテン語←ギリシャ語←ヘブライ語←ペリシテ語。Palestineも同語源。
adulterine
[形容詞]
1姦通によって生れた
alexandrine
[形容詞]
[名詞]
アレクサンドル格の(詩行)《英詩では弱強格6脚から成り, 通例3脚目のあとに休止が置かれる;フランス詩では12の音節から成り, 通例6音節目のあとに休止が置かれる》
alpine
[形容詞]高山の, 非常に高い, 《生物》高山性の
((A-))アルプス(山脈)の, 《人類》アルプス人種の, (スキーで)アルペン競技の

[名詞]
1 高山植物
2((A-))《人類》アルプス人種:ヨーロッパ中部・東部に住む白色人種

印欧語根等はAlps参照
anserine
[形容詞]
1〔鳥〕カモ目の, ガチョウの(ような)
2ばかな
aquiline
ワシの, ワシのくちばしのように曲がった
argentine
[形容詞]
((古))銀の(ような);銀白の

[名詞]
1銀
2銀色金属
3魚鱗箔(ぎょりんぱく)
4〔魚〕ニギス科カゴシマニギス属の魚の総称
asinine
頑固な, ロバの(ような), 愚かな
bombazine
[名詞]
[U]ボンバジン:絹とウーステッドなどで織った喪服用の綾織物

フランス語bombasin ←「綿織物」の意の中世ラテン語bambacīnum ←「綿」の意のbombax, bombac- ←「絹、蚕」の意のbombȳx ←「蚕」の意のギリシャ語bombūxから
bovine
牛, 牛の(ような), 牛属の, 鈍感な, 鈍重な
canine
[形容詞] 犬の(ような), 《解剖学》犬歯の。
[名詞]イヌ科の動物, 犬。犬歯。

(語源) ラテン語 'canīnus' ← 'canis' (犬) に由来する。
caprine
[形容詞]
ヤギの(ような)

(語源) ラテン語 'caprīnus' ← 'caper' (山羊)に由来する。
carmine
[名詞]
1 深紅色
2 カルミン《深紅色の絵の具;コチニールという虫を乾燥させて作る》

[形容詞]
深紅色の

(語源) フランス語 carmin ← 中世ラテン語 carminium ← アラビア語 qirmiz (ケルメス。 カーミンカイガラムシの雌虫を乾燥させた赤い染料の材料)← 「赤い染料を作り出す虫」の意のサンスクリット語 kᵂr̥mi-ja- に由来する。
cervine
[形容詞]
1シカの(ような)。
2 鹿類の。 鹿, ムース, エルクなど。
3 濃い黄褐色の。

(語源) ラテン語 'cervīnus' (鹿)に由来する。
corvine
[形容詞]
1カラスの(ような) 2〔鳥〕カラス科の《カラス・ワタリガラス・カササギ・カケスなど》
crystalline
[名詞]
〔生化学〕クリスタリン《水晶体中にみられるタンパクの一種》
divine
神の, 神聖な
dryopithecine
ドリオピテクス(の)
eccrine
分泌腺の, 汗腺の
endocrine
内分泌(腺)の, ホルモンの
equine
馬の
exocrine
[adj.]
外分泌腺[物]の

[n.]
外分泌腺

反対語: endocrine

(語源) ギリシャ語 'exo-' (外の) + 'krīnein' (引き離す) に由来する。
feline
ネコ科の, ネコのような, おとなしい, そつがない, 狡猾な。
ラテン語fēlēsに由来
feminine
[形容詞]
1 女らしい;か弱い, 優しい;〈男が〉めめしい, 柔弱な
2 女(性)の
3 《文法》女性の

[名詞]
1 女性, 婦人
2 《文法》
(1) 女性
(2) 女性形の語, 女性形を示す接辞などの要素
ferine
野生の, (人の手を離れて)野生に戻った
fluorine
《化学》 フッ素  (語源) フッ素が初めて発見された鉱物の名前 fluor (蛍石) + -ine(1)
genuine
血統が純粋な, 純種の, 純粋の, 心からの, 真の, 誠実な, 本物の, 本場の
hominin
[名詞]霊長目ヒト科ヒト亜科ヒト族の総称。旧称はhominid(s)
inquiline
【n.】
(他の生物の体内や巣の中に共生する)すみ込み共生動物(cf. commensal).

【adj.】
すみ込み共生的な.
internecine
【adj.】[限定]
1 共食いの, 共倒れの;内輪もめの.
2 多数の死者を出す, 血なまぐさい.
intestine
【n.】
〔解剖〕[通例 〜s;単数扱い] 腸.

【adj.】
内部の, 国内の.
leonine
獅子の(ような), 堂々とした
印欧語根などはlionを参照
libertine
放蕩な
limacine
ナメクジの, ナメクジに似た
limicoline
チドリ科やシギ科に属するシギ・チドリの仲間《チドリ・シギ・イソシギ・ミヤコドリ・ソリハシセイタカシギなど》, 〈鳥が〉水辺[海岸]に住む
lupine(1)
ルピナス, ハウチワマメ《マメ科ハウチワマメ属の植物の総称;花言葉は「貪(どん)欲」》. 「オオカミのような」というラテン語に由来
lupine(2)
オオカミの(ような), オオカミに似た, 野蛮な, 貪欲な, 略奪的な
masculine
【adj.】
1 [通例限定]男の;男らしい(manly);精桿(かん)な, 勇敢な.
2〈女性が〉男っぽい, 男性的な, 男のような(unwomanly);男まさりの;男っぽいファッションの.
3(比較変化なし)〔言語〕〈名詞の性が〉男性の(【略】m, m., masc, masc.).
4〔音楽〕男性終止の.
5〔韻律〕男性韻の《強音節で終る》.

【n.】
1〔言語〕[the 〜] 男性;男性形(の語)
2 男, 男性
3 マスキュリンファッション《女性が男っぽい服装をするファッション》
murine
【n.】
〔動〕ネズミ科(Muridae)《ネズミ・ハツカネズミなどの長く毛のはえていない尾のある齧歯(げっし)類の動物》.

【adj.】
1〔動〕ネズミ科の. 2〈病気などが〉ネズミが原因の[媒介する].
musteline
【adj.】
イタチ科の[に関する, に属する].

【n.】
イタチ科の動物《ミンク・スカンク・カワウソなど》.
nectarine
【名】
〔植〕ネクタリン, ズバイモモ(Prunus persica var. necipersica)《果実に毛のないモモ(peach)の1品種》;その実.
印欧語根等はnectar参照

(語源) ラテン語 ← ギリシャ語 'nektar'(不老不死の酒。 'necrós' (死体)+-tar (打ち勝つ)+ -ine(1)(のような))に由来する。 「ネクターのような」という形容詞を名詞として転用している。
ovine
[形容詞]羊の(ような).
palatine(1)
【adj.】
1[名詞の後で]パラティン伯の, 王権を持つ.
2 領主の.
3 宮殿のような(palatial).
4 口蓋(がい)の.

【n.】
1〔歴史〕パラティン伯《ドイツや英国で国王に等しい特権を有した》;(古代ローマ・メロビング朝・カロリング朝の)宮内宮;(後期ローマ帝国の)高官.
2 口蓋《◆〜 bone ともいう》.
3[the P〜]〔歴史〕パラティヌスの丘(the P〜 Hill)《ローマの七つの丘の1つ》.
4〔米史〕領主植民地(の領主)《独立前の Carolina など》.
5 パラチン《毛皮の肩おおい》.
palustrine
[形容詞]《地学》湿地の、湿地に関係する。ラテン語の「湿地」に由来
peregrine
【adj.】
1 ((古))
a 外国の, 外来の(foreign).
b 珍しい, 珍種の, 異国風の.
2 放浪する, 移住する.

【n.】
《鳥》ハヤブサ(→peregrine falcon)

「外来の、外国人」という意味のラテン語peregrīnusから
piscine
【adj.】
魚の, 魚に似た.
pontine
【adj.】
〔解剖〕(脳)橋(pons)の[に関する].
porcine
【adj.】
ブタの(ような);不潔な, 貪(どん)欲な.
pristine
【adj.】
1 初期のままの, 本来の.
2 汚れのない;新鮮な, 新品の;素朴な
saline
塩辛い, 塩気のある, 塩分を含んだ, 塩類の
sanguine
血色の良い, 紅色の, 快活な, 楽天的な, 自信のある, 自信にあふれる, 信じている, 陽性の
「血」→「血色の赤」の意のラテン語→古フランス語→中英語に由来
saturnine
[形容詞]
1((文))〈人が〉(土星の影響を受けて)むっつりした, 憂鬱な, 陰気な.
2 〈人が〉鉛毒にかかった;鉛毒による.
3 鉛の[に似た].
印欧語根などはSaturnを参照。
serpentine
ずる賢い, ヘビのような, 曲がった
sibylline
シビラ(sibyl)の, 神託的な, 神秘的な, 予言的な

古代ギリシャ・ローマの伝説でアポロンの神託を告げた巫女シビラに由来。中英語sibile←古フランス語←ラテン語Sibylla←ギリシャ語Sibullaから
supine
仰向けになった, 怠惰な, 不精な
taurine(1)
雄牛の, 雄牛に似た.闘牛の, 闘牛に関する.〔天文・占星〕金牛宮の
transpontine
[形容詞]
1 橋の向う(から)の
2 ((古))(ロンドンの)Thames 川の南岸(から)の《この地区に劇場が多くあった》;メロドラマのような
3 (英国から見て)大西洋の向う岸(から)の, アメリカの

pontoon(1)参照
trine
【adj.】
3倍の, 三層[重]の.〔占星〕三分一対座の.

【n.】
三つ組[ぞろい], 三つどもえ, 3人組.〔占星〕三分一対座《2つの惑星の間が120度離れた位置》.

【v.】
〔占星〕…と三分一対座にある.
ultramarine
[形容詞]1.群青色の 2.(まれ) 海外の
[名詞]1.群青色, 群青色の顔料 

中世ラテン語 'ultrāmarī̆nus'(beyond the sea 海の向こうに)からの借入語。ラテン語 'ultrā'(ultra- 超..,過..) + ラテン語 'marīnus'(of the sea 海の)
ursine
クマの(ような)
viverrine
ジャコウネコ科(Viverridae)の(動物)《ジェネット(genet)・ジャコウネコ(civet)・マングース(mongoose)など, ユーラシアやアフリカの小形の肉食哺乳類》.
vulpine
狡猾な, ずるい, キツネの(ような)


【戻る】
【TOP】