-no-

(-eno-,-ono-と同じ)形容詞を造る接尾辞。語基が動詞の場合は過去分詞を、名詞の場合は形容詞を造る。(-en(2), -en(3), -an(1), -ana, -ian, -iana, -ine(1), -ine(2)に派生)

この語根 -no- から派生した単語
Homoiousian
類似本質論者, ホモイウシオス派 <4世紀に, イエス キリスト(子)は神(父)と本質的に似ているが同一ではないと主張した>

(語源) ギリシャ語 'homoiousios' ('homoio-'(類似の) + 'ousiā' (実体) + -an(1)
Louisiana
[名詞] ルイジアナ:米国南部Mexico湾岸の州
Occitan
[名詞]
[形容詞]
オクシタン語(の)《中世および現代のオック語;12-14世紀のプロバンス語など》
zein
《生化学》ゼイン:トウモロコシから作られるたんぱく質.


この語根 -no- から派生した接尾辞
-an(1)
1 …の土地[地域]生まれの[に住む].(出生地や所属を示す) American
2 …に所属する.(社会階級や宗派,党派などを示す) republican
3 …属の,…科の.(動物学上の分類名につく) crustacean (甲殻類の動物)
4 …時代の.(人名につけて,「その人と同時代の」の意を示す) Elizabethan (エリザベス女王時代の)
5 …派の,…を信奉する.(語幹が指す人の支持を示す) Hegelian(ヘーゲル哲学の)
6 …する人,…家[研究者].
(異形の -ian と同様に,多くはフランス語借用の人を指す名詞につく)
-an で終わる形容詞は, 異形の -ian-ean  と同様にしばしば名詞としても用いられる。 ラテン語 '-ānus' (形容詞を作る接尾辞) に由来する。
-ana
人名・地名や普通名詞の後について「…に関する雑多な知識、…語録、…逸話集、…風物詩、…文献」などの意を表す複数名詞を造る ( = -ianaと も)

(語源) 近代ラテン語 '-ana'に由来する。(形容詞や名詞を造る接尾辞)
-ane(1)
-an(1)の変形であるが、-anで終わる語とはしばしば異なった意味を表す。 
-aneous
-an(1) + -eous ラテン語系の語に付いて形容詞を造る
-ean
「…の(人)、…に属する(もの)、」、「…のような、…らしい」などの意味を表す形容詞・名詞を造る。
(-ea ,-es, -eus で終わる名前の後ろにおける-an の異形)
-en(2)
通例物質を表す名詞について「…質[性]の、…から成る、…製の」の意の形容詞を造る。

(語源) 中期英語、古期英語 '-en' ← ゲルマン語 '-inaz'に由来する。 
物質名詞につけて形容詞をつくるのに用いられたが、多くは廃語、詩語となった。
比喩的な意味(例:golden 金色の, ashen 灰色の)で用いる場合がほとんどになったが、wooden 木製の, hempen 麻製の などは今でも使われている。
-en(3)
不規則動詞の過去分詞語尾

(語源) 中期英語, 古期英語 '-en' ← ゲルマン語 '-enaz' '-anaz'に由来する。(ドイツ語 '-en', 古期ノルド語 '-inn'と語源が同じ)
-en(4)
ある種の名詞の複数形を造る  例: "oxen" ( ox (雄牛) の複数形)

(語源) 中期英語, 古期英語 '-an' に由来する。中期英語南部方言では広く一般化していたが、近代期に入って oxen 以外は標準英語から姿を消した。他に古い複数形に -en が付加されて二重複数形(double plural)を造った例もある。

children (子供たち)という語を遡ると、古期英語では単数形 'cild', 複数形 'cildru'であったが、中期英語になると複数形 'ċhildre'という形に発展し、やがて r を含んだ形態が単数形の基体と異分析され、そこに '-en'という複数語尾が付加されて children という複数形が造られこれが一般的に使われるようになった。
-en(5)
指小辞 (主に名詞や形容詞につき、感情的に「小さい」「少し」といった意味を表す接辞)

(語源) 中期英語, 古期英語 '-en' ← ゲルマン語 '-inam'('-inaz'の中性形) cf. -en(2)
-en(6)
古い女性名詞語尾。 vixen (雌ギツネ)
(まれに)名詞語尾として。

(語源) 古期英語 '-en' '-in' ← ゲルマン語 '-ini', '-injo' に由来する。
-ian
((子音の後で)) -an(1) の異形.

(語源) 中期英語 '-ien', '-ian' ← 古期フランス語 '-ien' ← ラテン語 '-iānus' に由来する。
-iana
(連結辞-i-を伴った)-ana の異形
-ine(1)
名詞について 「…に似た、…に関する、…性[質]の」の意の形容詞を造る
近代では固有名詞に付いたり、動植物の属名について科学用語としても広く用いられる。
-n
-en(2) の異形


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